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インプラント治療で名古屋まで来ました

「自分の歯の色に満足していますか」という質問に対し、満足している人(やや満足も含む)が1%という低さで、「自分の歯のなにが不満か」という質問にたいし、「歯の白さ」と答えた人がもっとも多く39%でした。 歯科専門の医師として、ある程度の予測はついていましたが、歯にたいする意識が、これほど高まってきていることは、嬉しい驚きでした。
それと同時に、自分の歯の色を気にし、白い歯を希望している方が、予想外に多いことに気づかされました。 白い歯は美しいですから、だれだってきれいな歯になりたいでしょう。
世界的に見ると、日本は歯の美容に関して、とても遅れをとっているように思います。 でも、これは仕方がなかったとも言えます。
理由は、日本女性の歴史的、文化的背景に根ざしているからです。 現代に生きる私たちの目からは信じられないことですが、「お歯黒」という歯を黒く染める風習は、平安時代以前からありました。

2〜3世紀ごろに著された『魏志倭人伝』には、お歯黒について記載されており、その時代からすでに、歯を染める風習が存在していたことがわかります。 当初は貴族社会だけで、女性が成人したしるしとして始まったのですが、江戸時代になってからは、一般の女性の既婚者たちの間にも浸透していきました。
なぜ、女性が結婚すると歯を黒く染めるのでしょう。 お歯黒は、一度染めるとどんな色にも染まりません。
そのことが、夫への貞操をまもるとか、主君にたいして忠節をつくすといった、当時の社会倫理的考え方から、貞女や忠臣のあかしとされていたのです。 結婚しても離婚・死別などで独身になった女性は、お歯黒をやめて白い歯に戻しました。
白い歯は未婚の娘の象徴であるだけでなく、独身女性を意味するものでしたから、歯を見れば、一見して未婚か既婚かわかるシステムになっていたわけです。 この風習は女性だけにとどまらず、男性にも広がって、明治時代まで千年もの長い間、続きました。
お歯黒は、歯のエナメル質を、お歯黒水と呼ばれるもので染めます。 お歯黒水は、酢酸に鉄を入れて溶かして、その溶けた鉄と五倍子粉(ふしのこ)のタンニンを反応させたものです。
これが水に溶けないタンニン酸第二鉄となり、それを歯に塗ってお歯黒を作り出していました。

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